矢内綾乃(やないあやの)~格言・名言集~

東京で働く女性経営者。偉人,事業家,芸能人などの格言・名言を紹介します。

時間 [格言]

「機先を制する」という言葉があります。

 相手より先に行動しておいて、

 有利な位置を押さえてしまうことを指します。

 古来より「さっさと動いたほうが有利」、

 「先手を打ったほうが勝つ」

 といったことは、兵法の基礎の基礎です。

 早め早めに動く人が勝つのです。

 たった1週間の遅れ、たった1日の遅れ、

 たった1時間の遅れ、ほんのタッチの差で、

 勝敗が覆ったという例も歴史上にはいろいろとあります。

 「よく遅れる」「よく遅刻する」という人は

 かなりたくさん見ますが、

 そういう人は「機先を制する」という考え方がないので、

 あまり付き合わないほうが得策だと思われます。

 そういう人は、なぜか決まって

 「遅れたといっても、たった5分ぐらい」

 とか、

 「遅れたといっても、たった3日ぐらい」

 とか平気で言います。

 「遅れたといっても、大した遅れではない」

 というのは、

 「遅れ」を真剣に考えていない証拠です。

時間の「遅れ」には、

 「遅滞膨張」という性質があります。

 例えば、出発するのが5分遅れたとします。

 遅れた人は「たった5分の遅れ」と思っていますが、

 実際には5分どころではなくなります。

 15分おきに来る電車を乗り遅れてしまったら、

 5分どころか10分以上遅れていることになります。

 そして、そこから乗り継ぎがうまくいかないとか、

 遭わなくてもいいトラブルに遭ったとか、

 やたら渋滞が始まったとかで、

 どんどん遅れの時間は増大していくのです。

7時から渋滞し始める道路があったとして、

 7時の10分前に出発した人は30分で到着したけれど、

 7時に出発した人は渋滞で90分かかってしまった、

 ということはよくあることで、それだと

 10分の遅れなのに60分も余計にかかることになります。

 そうやって、「遅れ」というものは

 次から次に送れる要素がくっついてきて、

 雪だるま式に遅れる時間が増えていくものなのです。

集合時間ギリギリになって、

 「すみません、電車が人身事故で動かなくなってて」

 などと車内から報告してくる人が結構いて、

 そういう人は「人身事故のせいですし」と悪気がないですが、

 数分早く行動して前の電車に乗っていれば、

 人身事故はなかったかもしれないのです。

 また、例えば7人で集合することになっていて、

 1人が「ごめーん。10分だけ遅れたわー」

 などと遅れて合流してきたとします。

 本人は遅れたのは「10分だけ」と思っていますが、

 他の6人が10分を余計に待たされることになるから、

 総計で言えば60分が無駄になっていることになります。

自分の遅れは、自分だけで考えると時間そのままですが、

 それが多くの人に影響して全体の遅れで考えると、

 とてつもないロスになっているのです。

 よく遅刻をする人と、全然遅刻をしない人というのは、

 その辺りの意識が違います。

遅刻をしない人は、

 「1分でも遅れると、1分どころではないロスが出る」

 ということを非常に警戒しています。

 よく遅刻をする人というのは、

 「1分遅れるというのは、2分遅れるよりはマシ」

 などと思っているから、警戒心がないのです。

 「遅れたら、なんとか待ってもらおう」

 などと軽く考えているから、遅刻ができるのです。

 そして、こういう考えは待ち合わせの話だけではなく、

 「物事を始めるかどうか」

 という部分にも関係してきます。

 「もっと早く始めていればよかった」と後悔するのは、

 早く始めている人がとても先に進んでいて、

 始めていない自分がとても後ろにいるからです。

 始めなかった人は、何もやっていないわけですから、

 それをマイナスと捉えるのではなく、

 「プラスマイナスゼロ」などと思っています。

 ロスをしているという意識がないのです。

 実際には、始めなかったことでものすごくロスが増え、

 始めるタイミングを失っているから、

 「今さら始めてもな…」と思ってやっぱり始めない、

 だからどんどん「遅滞膨張」が起こるわけです。

ちょっとの遅れは、膨大なロスを生む。

 だから、ちょっとの遅れでもダメなのだ、

 という意識を持たなければなりません。

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